特別支援教育就学奨励費の話
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特別支援教育就学奨励費って何?
学校生活は何かとお金がかかりますよね。
新一年生になる子供たちは特に「ランドセル」「制服」「教材」「上履き」などなど。障害のある子供たちが学校で学ぶために必要な経費を国が補助する仕組みがあります。
その名も
「特別支援就学奨励費」です。
対象となる子供たちは?経費は?
https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=26&sub_id=2&flid=34083
支払われる対象になる経費は、給食費や通学費、学用品費など学校生活を送るうえで必要な経費です。入学するときに必要な経費(ランドセルや制服など)も対象になります。
申請時期は6月~7月上旬ごろ。領収書はとっておこう!
地域差はあるかもしれませんが、特別支援教育就学奨励費の申請は「入学したあと」になります。だいたい6月~7月ごろ申請書が学校から配布されます。
世帯収入などを精査され、支給されるかどうかが決定されます。(世帯収入が多い家庭は、支給対象からはずれます。我が家は2馬力家庭なので・・・もしかしたら対象から外れるのではと危惧しております。)
2021年8月現在、特別支援教育就学奨励費の支給結果については回答待ちの状態です。そのあと実際に使った費用を報告するながれです。費用を使ったことを証明するものとして、「レシート」「領収書」を添付します。
だから、
ランドセルや制服・学用品などなど購入した時のレシートは、申請するときまで大切に保管しておきましょう!特別支援教育就学奨励費の話は、特別支援学校や特別支援学級に在籍する方には学校側からの説明があります。普通学級在籍のお子さんの場合は、どうなんでしょうか・・・?学校側から案内は難しいんじゃないかな?と思います。
こんな制度もあるんだなと知っていただけたら、幸いです。
小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで⑥~心地よいと思える環境を~
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11月下旬ごろに届いた就学先決定通知
普通学級と特別支援学級の両方を見学した段階で、特別支援学級がいいなと思っていた私です。安心して小学校生活をスタートさせられる!と思ったからです。
とはいえ、夏の就学相談の結果が届かないことには次に進めないわけで。この結果が郵送で届くのがなんと、11月下旬ごろ。(通知が届くのは、地域差はあります)
ドキドキも通り越して、忘れたころにやってきたのでした。
就学先決定通知書は、お約束通り11月下旬に届きました。
結果は「特別支援学級への進学が望ましい」でした。
私は直接「特別支援学級がいいかとおもいます」という、教育委員会の意見をきいていたので、特段驚きはなく逆に「やったぜ!!」とほっとしていました。
特別支援学級にした理由
1.娘が特別支援学級を見学したときの反応
通知書が届いてから、「あ!娘と見学していない!!」ということに気が付いた私。
2月ごろに娘を連れて見学しました。彼女の反応はいかに・・・。
時期が悪かったっす。
反省。
見学は15分で終わってしまったけど、就学前の個別面談や就学前検診、入園説明会などで支援学級の教室に入る機会が何度かありました。
「1年生の教室と、この教室に行くことになるんだよ」と話してみたら、
「ふーん」
…以上。
「いやだ!」とは言わないのでとりあえずOKなのかな。
2.だから私は、特別支援学級への進学を決めた
一番の判断基準は、「現段階の子どもの様子を見て、過ごしやすく成長しやすいところはどこか?」というところ。
年長当時(今も性格は変わらないけど)娘はこんな人です。
沢山の励ましと必要な支援。そして暖かく見守ってくれる環境。それが充実しているのが、就学予定の特別支援学級でした。
初めてが多い低学年、見通しが立たないと不安になりやすい娘を思えば、特別支援学級スタートが一番いいと思えました。
給食やプールの個別配慮もしてくれる。交流級がしんどければ支援学級で過ごす。がんばれそうなときは交流級(普通学級)で頑張って、それが自信につながる。ペース配分を考えながら過ごすことが出来る。それに公立小学校に適応するため、沢山頑張る必要のある娘には、合った環境だと思ったのです。
通う予定の学校の特別支援学級が、なかなか良かったからね。当時通っていた児童発達支援センターの人も、「あの学校なら安心ですよ~~」と太鼓判を押してくれてた。
児童発達支援センターを利用している方(放デイ併設だと情報が確実)は、そこの児発管に「進学先の学校の特別支援学級ってどうですか?」って聞くのも情報収集の手段として有りですよ!
3.就学先にも多様な選択肢を
公立小学校って、なんだかんだで一斉的な指導が主ですよね。
どんだけ支援しても、息苦しい子供がいたり不登校になる子もいたり。合っていない子供にはトコトン合っていない。そうすると私立とかオルタナティブスクールになっていくわけですが。
一時期娘が学校に行けなくなった時、私の選択は失敗したと悩みに悩みましたよ。
そんな時オルタナティブスクールの情報を片っ端から調べたわけです。
日本のオルタナティブスクール一覧/不登校はもう古い!フリースクールや学校以外の選択 | オヤトコ発信所
サドベリーとかサマーヒルとかイエナプランとか、こども主体で子供の自由を尊重する学校は素敵!素敵なのだけど・・・
- 価格が高い
- 通学できる距離にはない
- 全寮制なんて無理(不安感の強い娘には過酷すぎる)
- 先生と生徒の区別なくって本当にいい事なのか?
- 社会に出たときに、挫折しやすくなるのではないか
- 学校のカリキュラムを勉強してないと、受験ってどうなるの?進路は?
- 出席日数扱いしてくれるの?
数々の疑問点や不安なところもあり、敷居の高さを感じます。
でも発達障害や特性を抱えた子供は、すごく過ごしやすいんじゃないかな。大変魅力的な学校が多いのは確か。将来は、オルタナティブスクールも就学先の選択肢として選びやすい時代が来たらいいのにな。義務教育から、自由で多様な就学先選択ができるようになることを願います。
【+α】
毎年夏休みの個人面談で、「来年度は特別支援学級を使いますか?」といった話が出てきます。(学校によるんだろうけど)
娘は「6年生まで支援学級でいい!!」と言うくらい、今は支援学級を気に入っています。6年まで支援学級でいいのか今の私にはわかりません。毎年の様子をみて、子供と話し合って決めていけたらいいな。3歳下の息子も、娘と同じ学校の特別支援学級を目標にしています。
小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで⑤~特別支援学級を見学してみた話~
ブログの説明
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①合理的配慮がなされている
10月ごろ、特別支援学級の見学してきました。
情緒学級は、知的遅れがないけど社会性などに困り感がある子供たちが在籍しています。見た感じは、8人クラスの普通の教室。
授業は普通に先生が一人前に立って、教科書を読んだりノートに書いたりしてます。
教室を飛び出したり、授業中ウロウロしている子は一人もいませんでした。一見、どこに障害が?と思う子供たち。
コーディネーターの先生方は、初めは落ち着きがなかったり、授業に参加できなかったりしていたけど 、自立活動や様々な支援で徐々に学校生活に慣れてきました。と仰っていました。
普通の教室に見える支援学級ですが、掲示物に工夫が見られました。
- 余計な掲示物を黒板の前に貼っていない
- 一日の流れのカードが黒板の前方に貼っている
- 放課後はどこで過ごすのか、カードを使って分かるようにしている
- 音の大きさレベル(レベルに応じて動物が描いているような)表がある
- 囲いで仕切っている席がある
- 教室後方に、畳の場所がある。カーテンで仕切れるようになっていて、クールダウンスペースになる
もしかしたら見えないところに、その他沢山の合理的配慮があるのかもしれません。
個々に応じた支援をされていて、学校生活を送りやすくしてくれていると感じました。
②普通学級にはないアイテムがたくさん
例えば
1.残り時間が見えるタイマー。
時っ感タイマーは、家でも使っています!
気持ちの切り替えが苦手な娘には、結構いいアイテムです。
例えば、5分勉強してみよう!と口で言うだけだと「5分の感覚」がわからないから
しかめっ面をして嫌がる。だけど、5分が目に見えるだけで「なんだこれだけか!」って言ってくれる時もある。逆に5分は嫌だ!と言ったとしても「こんなにやるの。うーん、もっと少ないほうがいい」みたいに、5分の感覚が長いから嫌なんだと子供理解につながり、漠然としたイライラから解放される。発達障害児に「可視化」はもってこいの支援です。
2.絵カード
これも可視化の一種。交流級の授業はどんな授業で、何が必要なのか。図書館とはどんなところで、どんなことに気を付けないといけないのか。一日の流れ。等々・・・黒板や授業の流れで使用しているようです。
娘だけかもしれないけど、「自分の気持ちカード」というのを用意してもらっています。娘は苦しい時ほど笑顔になったり、困っていてもそれを相談することができません。「今の気持ちはどんな気持ち?」と言葉で伝えることが難しいのです。だから、絵カードにして、どの気持ちなのかを指さして伝えてもらう。
言葉で伝えられないのは、娘の場合、自分の感情がよくわかっていないことが原因のように感じます。絵カードという視覚的に感情を図示してくれるアイテムと、自分の感情を照らし合わせる行為は、感情理解にとっても有効的ではないかと思うのです。
③仕切り板
余計な情報が入ったり等で、周りが気になりすぎて集中できない場合に、机の周りに仕切り板を立てかけて集中しやすい環境を作ります。
③自立活動という授業がある
自立活動とはなんでしょう?
自立活動とは・・・・個々の障害のある児童生徒が自立をめざし、 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取組
特別支援学級に在籍すると、大体はこの活動の時間が設けられています。具体的に何をするかは、もちろんいろいろあると思うんですけど、見学した時に見た自立活動は、1回目は虫取りのルールについて確認しあう活動。二つ目は仲良し体育でした。
虫取りのルールを確認しあったとき、一人の男の子が教室を飛び出してしまいました。どうやらルールに納得がいかない様子。先生は複数人いたので、一人の先生がその子を追って、でも無理やり引き戻すわけではなく見守っていました。
ぐるぐる回って乱暴な言葉を吐きながらも、徐々に落ち着いていく子供。そして最後は教室へと戻ってきました。先生方が気持ちを代弁したり、冷静に対応されていたのがすごく印象に残っています。
なかよし体育は、ただ体育して体を動かすというわけではなく、活動の中でルールを取り入れる場面が多かったように感じます。守られたら絶賛の嵐。守られなかったら、叱る。感情的にならず、叱った理由を淡々と簡潔に伝える。
先生たちの愛をすごく感じました。特別支援学級を見学するまでは、学校の檻だと思っていたところもありました。でも見学してから、180度考えが変わったのです。
【+α】
自立活動の時間がある分、そのほかの授業数は減っています。娘の場合は、交流級の授業に比べて2回分くらい遅れている感じです。でも私は、自立活動のほうが娘にとって大切な学びや気づきがあると思っています。仲良し音楽という自立活動の時間が毎週あるのですが、そこで娘は手話を使って歌を歌うことを学びました。手話の存在を知り、手話に興味を持つようなったです。その時に、みんなの前で歌うという経験をしたことで、交流学級の音楽のテスト(35人の前で歌を歌うテスト)もクリアしたのです。
進学される支援学級の自立活動がどんなものであるのか、先生たちの取り組み、教室の雰囲気なども含めて、ぜひぜひ学校の見学はしたほうがいいですよ~!
次回は最終回。特別支援学級に決めた話です。
小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで④~特別支援学級って何?~
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特別支援学級ってなんですか?
私は教育相談を受けるまで存在を知らなかった「特別支援学級」という学級。
昔の「ひまわり学級」「仲良し学級」と呼ばれる、ちょっと知的な遅れのある人たちがいるところなのかなと、漠然と思っていました。でも今は昔とは違うようで・・・。
まず今の学びの場は、大きく4つある。
障害のある子どもと障害のない子供が可能な限り共に教育を受けらえれるように、条件整備を行うとともに、障害のある子どもの自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校と行った連続性のある多様な学び場の整備を行っている。(文部科学省HPより抜粋)
その中でも、「特別支援学級」とは
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上または生活上の困難を克服ために設置される学級。
【対象障害種】
知的障害、肢体不自由、病弱および身体虚弱、弱視者、難聴者、言語障害、自閉症・情緒障害
(文部科学省HPより抜粋)
娘が通う小学校の例を挙げてみると、特別支援学級は障害種別で学級を分けている。
1クラスあたり最大8名の児童がいる。基本的に1クラスに担任は1人。クラスによっては、異なる学年の子供が混在している場合もある。その場合は担任が増えることもある。
特別支援学級に在籍すると、担任は特別支援学級の先生になる。(交流級の先生ではない)連絡帳や宿題の提出先は、特別支援学級。プリントなどの配布物は、交流級+支援級分なのでプリント数が増える。家庭訪問や個人面談は、交流級の先生とも行うが短時間(15分程度)。メインは特別支援学級の担任と行う(30分~1時間)。「個別支援計画」という、子供1人1人合わせた支援であったり指導法であったりをまとめたものを作ってくれる(療育の個別支援計画とほぼ同じ)
1人の担任に8名のクラスだから、目が届きやすい。
学習理解の度合いに合わせて、宿題の内容や量・学習の進め方・勉強のやり方などを調整したり支援してくれる。
そして、障害のない子供たちと一緒に学習する時間が確保されている。基本的には、国語と算数以外の科目と給食は交流級で過ごすようになってる。でも、必ず交流しないといけないという強制的な感じじゃなくて、娘の場合は「交流級に行けるときは行く。無理な時は支援級で過ごす」ようにしてる。
そんな感じで、一人一人に手厚いのだ!
しかし懸念点もある。特別支援学級の担任は「専門家じゃない」という点だ。特別な資格がなくても担任になれちゃう。娘の担任も「初めて特別支援学級の担任しました」っていう人でした。でも熱心で勉強家で生徒思いの先生でした。それに、通っている学校の校長と教頭先生が「特別支援教育」に関して前向きにとらえている先生だったし、特別支援コーディネーターという、特別支援学級を取りまとめているボスみたいな人が、とくにかく知識と経験が豊富!そして熱意がすごい。
だから学校にいけない時も、ちょっとの相談も親身になってくれました。助かりました。
学校のトップが特別支援教育に興味がなかったり、問題ある担任の島流し場所のような扱いをしていら、最悪だと聞いたことがあります。通常学級のほうがマシだという・・・。
何度も大声をあげて伝えたい!
「通う予定の小学校の特別支援学級は、見学したほうがいいぞぉ!!!」
特別支援学級の情緒学級は年々増えている
文部科学省の「特別支援教育の現状」をまとめた資料によると(令和元年のデータ)
小・中学生の全生徒数は年々減少傾向にあるのに対し、特別支援教育を受ける生徒の数は上昇傾向だ。平成21年度では25万人に対し、令和元年では48万人と2倍というからびっくりだ。障害の中でも「発達障害児」(ASD,ADHD,LD)の子供は(グレーも含む)、1クラスあたり6.5%在籍しているのではないかといわれている。
この数字もすごく高いと思う。40人クラスなら、2~3人は発達障害の子がいる。発達障害児がクラスに在籍していることが、むしろ普通なんだね。
前項で話した4つの学びの場の中で、「特別支援学級」「通級指導教室」を利用している子供の数が、10年程前に比べて2倍以上増えている。「特別支援学級」在籍児童数は、義務教育段階の全生徒数の約3%いる。
特別支援学級は「知的障害」「自閉症・情緒学級」「身体不自由」「病弱」「難聴」「弱視」など障害種別でクラス分けがあるが、その中でも「自閉症・情緒学級」に在籍している児童・生徒の数は、全特別支援学級在籍児の約半数を占めている(令和2年度のデータ)
「自閉症・情緒学級」は、知的な遅れがないがコミュニケーションが苦手だったり集団活動に参加できなかったりといった社会的な面で困難さを抱えている子供たちがいるクラスだ。娘もこのクラスに在籍している。
「自閉症・情緒学級」に在籍する子供は、年々増えている。発達障害の認知度があがり早期対応が重要視される時代になったので、在籍する子供の数が増えているのではないかと思う。
堅苦しく書いたけど、このデータを見て感じるのは・・・
- 「特別支援学級」は特別な学び場ではないのかもしれないということ。学び場は、子供に応じて選んでいいということ。
- 令和2年度で30万人の子供たちが、特別支援学級に在籍している。
数字にしてみたら、たくさんの子供たちがいるんだなぁ~。って特別感が薄れてきませんか?
かつては・・・
いつも一人でぽつーん。会話が成立しない。突然教室を飛び出したり暴れたりする。空気読まない不思議ちゃん。何を考えているのか、どう接していいのかわからない。そんなクラスに一人か二人はいた見過ごされてきた子供たちが、今でいう「特別支援学級の情緒級」に在籍している。
私は大人になって、ASDとADHDが発覚した人間。
学校生活なんて苦痛の連続だった。聴覚過敏でざわざわした音やチャイムの音がとにかく嫌い。曖昧さがわからなくて、女子トークについていけなくて孤立したこと。ルールが理解できない・ボールや体が扱えない・水が怖くてプールの時は毎回パニックで体育のときは死ぬほど苦痛だった。いじめられたし、学校に行けなくなったこともある。
もしあの時「特別支援学級」ってやつに在籍出来たら、学校生活もっと楽しかったのかな?って、PTAで娘の机に座るたびに、ふと思う。
8つしかない机、余計な掲示がない教室。圧迫感や音がうるさくないだけで、こんなに過ごしやすいとは。
1日の大半を過ごす学校生活。子供にとって過ごしやすい学びの場って何だろう。
親としては、ちゃんと考えてあげたいですよね。
障害者にだって人権はあるんだ!
★オリンピックの話題にふれ、どうしても考えたくなったことを書きました。
当初予定していた「特別支援学級」の話じゃなくてごめんなさい。★
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障がい者にも人権が保障されている
1.今回のオリンピック騒動で思うこと
小山田圭吾さんっていう人も、その人がミュージシャンで、オリンピック・パラリンピックの楽曲提供するはずだったのも、知らなかった。
子育てするうえで「障害」というものを見つめる機会があり、実際障害を抱えている子供を育てている人間として、今回のことは、ただただショック。
「障がい者は何もわかっていない。理解してない。どんなに嫌なみじめなことをしても、平気なんだ。いじめてもいい人種なんだ」
いじめ自体は30年くらい前の話かもしれない。でも、そんな考えを持った人を平和の祭典に起用した国の偉い人も、きっと障がい者差別やいじめに対しての感度が低いのかな?と思ってしまい、怖いし、悲しい気持ちになった。
2.障がい者権利条約
この騒動をきっかけに、現在における「障がい者の人権」について考えたくなった。
障がい者の人権も含めた権利については、国際的に定められた「障害者権利条約」というのがある。2006年国連総会で採択、日本は2014年に締結。批准に時間がかかったのは、国内法の整備が先決と障がい者団体が声を上げたからで、その間・・・
2011年「障害者基本法」改正
2012年「障がい者総合支援法」制定
2013年「障害者差別解消法」制定
2013年「障害者雇用促進法」の改訂
が行われ、2014年1月20日に、日本は条約に締結する。
「障害者権利条約」は、50条から成立しています。「障害のある人もない人も同じように、当たり前の権利(好きな場所に住んだり、行きたいところに行ったり)と自由を認め、社会の一員として生活すること」を目的としている。
3.「社会モデル」という考え方
この条約のすごいと思うところは、障害を「社会モデル」としてとらえているところ。
どういうことかというと、障害というのは「社会的障壁」「周りの人の考え方や態度」の相互作用によっておこるものととらえています。以前の障害のとらえ方は、障害は個人の問題であるとする「医学モデル」だった。
4.合理的配慮
条約(第2条)では、合理的配慮を障がい者の人権と基本的自由を確保するための「必要かつ適当な変更及び調整」と定義しています。目の見えな人に本を読み上げたり、点字を読む十分な時間を配慮したり。聴覚過敏さがある人がつける「イヤーマフ」の装着を認めるといったことだろうか。
合理的配慮は、「障害者差別解消法」では、国・地方公共団体は「義務」。民間団体や
企業は「努力義務」としています。公立の学校は、「義務」に入るのかな?
条約の第5条では、障碍者に対するあらゆる差別の禁止。合理的配慮の提供が確保されるための適当な処置をとることを求めている。
このように、国際的な条例でも「障害者の人権」は当然あるし、守らなければならないことなのだ。
もっと堂々と生きていいはずなんだ
障がい者は何もわかっていなことはない。されて嫌なことや不快は気持ちは、十分すぎるくらいわかっているよ。
今時、障がい者を差別するのはナンセンスな時代だ。
バリアフリー(差別とか偏見も含めて)な世の中になってほしい。そうなったら、障害がない人も、とてもハッピーになるんじゃないかなとおもう。
そして障害を持っている人も「幸せなる権利がある」
堂々と生きていいはずなんだ。
だから、「こうしてくれたら、できるんですけど」と、どんな配慮を望んでいるのか相手に伝えることが大切だと思うんです。
わたしも発達障害を抱える人として、「どうしたいいのか」「どうしてほしいのか」伝えていきたい。そして、できる限りその声にこたえられる人でありたい。
次回こそは、「特別支援学級」について書きます!!
今回参考にしたWebページ
ゼロから知りたい障害者権利条約 ~前編~ - 記事 | NHK ハートネット
小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで③~知能検査の結果と教育委員会との面談~
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就学相談2日目 知能検査の結果
就学相談1日目から1ヶ月近くたち・・・、WPPSI-Ⅲの知能検査の結果がでました。
就学相談2日目。
娘は別室で、保育士さんと遊んでいました。私は、教育委員会の方と発達支援センターの方、今回娘の知能検査を実施してくれた臨床心理士の先生と一緒でした。
臨床心理士の方が、A3用紙2ページにまとめてくださった知能検査の結果を説明してくれました。
全検査IQは104。言語IQが120(小学校2・3年生レベルらしい)
その代わり、ワーキングメモリーなどにかかわる動作性の部分が、平均~平均より下の結果でした。
- 記憶力がいい分、気になったことにずっと捕らわれてしまう。
- 頭では理解しているのに、実際に実行すると思ったようにできなくて、それがストレスになってしまう。
- 先生の立場から見ると、誰よりも理解できているはずなのに、出てきた結果との落差をみて「この子は怠けている」と思われやすい。
- 好きなことや興味があることに対しては、とても詳しく流暢に話をすることができるが、苦手な分野や自分の困ったこと・助けてほしい事については、表出することができない。
- 困ったとき程笑ってしまう。周りからは困っていると認識されずらい。
その通り過ぎて、「知能検査って・・・こわい」と思った瞬間。
分かっているはずなのに、結果として出来ない。そんな場面はたくさんあります。
例えば、絵を描くことや工作をすること。
娘は自分の絵を「へたくそだ」といいます。おそらく、娘が頭で思い描いているものと実際書いているものが違うんでしょうね。折り紙や工作も、理解は早いし、アイディアもすごいいっぱい出てくるんだけど、それを実行しようとすると・・・
テープがうまく切れない、折り紙をまっすぐ折ることができない等など、いろんなことにぶつかって、心が折れてしまう。そんなことがたくさんありました。
彼女を見ていたら、「頭の理解と実行機能の差が大きい人は、自己肯定感が低くなりやすいのではないか?」と思うこともあります。
教育委員会の担当者から「特別支援学級」の話を持ち掛けられて
一通り説明を受けた後、それまで黙っていた教育委員会の方が、「特別支援学級ってご存じですか?」と一枚の紙と一緒に話しかけてきた。
我が家の場合は、「特別支援学級希望です!」ということは一切考えていなくて、教育委員会からの提案でした。「特別支援学級の情緒クラスがおすすめです。」と言われたのは、たぶん・・・
- 進学先の小学校に情緒クラスがあり、しかも特別支援に力を入れている学校であるということ。
- 知能検査の結果+感覚の過敏さがあるということ
- 不登校になりやすいタイプの子供であること
こんな感じで判断されたのかな?
「特別支援学級」という言葉に、ドキッとして不安になったけど、「情緒クラス」の説明を聞いて「あー娘には、特別支援学級の情緒クラスがあっているのかもな」と思いました。
次回は、特別支援学級について書きます。
小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで②~教育相談は何でするの?と我が家の教育相談1日目~
このブログは、知的障害児/発達障害児の子育てを通して学んだ事、おうちで療育したいときにおすすめの100均グッツや手作りおもちゃを配信します。誰かの役に立てたらうれしいです。よろしくお願いします。
①就学前の教育相談は、子どもに合った就学先を「教育委員会」が決める為に行われる
なんで教育相談するの?→その子に合った就学先をきめるためですよー。
そもそもどうして就学相談なんてするんだろう。
就学先決定について、文部科学省では・・・。
子ども一人一人の教育的ニーズに応じた支援を保障するためには、乳幼児期を含め早期からの教育相談や就学相談を行うことにより、本人・保護者に十分な情報を提供するとともに、幼稚園等において、保護者を含め関係者が教育的ニーズと必要な支援について共通理解を深めることにより、保護者の障害受容につなげ、その後の円滑な支援にもつなげていくことが重要である。(特別支援教育の推進について(通知)一部)
○ 就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である。(障害のある児童生徒の就学先決定について(手続きの流れ)一部)
要約すると・・・市町村教育委員会が、就学先を決定します。その際、就学するこどもの教育的ニーズや本人・保護者の意見・専門家の意見などの総合的な判断をするために「教育相談」を実施するのです。
★「教育的ニーズ」・・・教育の目的の達成するために子供が必要とする学習内容および学習方法のこと。
蛇足ですが・・・
私が小学生の時は、知能指数が低い子は「なかよし学級」みたいなところにいて、目や耳の聞こえない子、車いすの子や知的障害の重い子は、「養護学校」って区切られてた気がします。「なかよし学級」(今の特別支援学級)の子と、一緒に勉強することもないし、なんだか「やべぇ奴らの集まり」って感じでいいイメージがなかったんです。
思い出してみれば、普通学級にも「落ち着きがない」「教室飛び出す」「先生の話を聞かない」「授業を妨害する」といった問題行動のある子どもたち。学校に来れなくなる不登校の子、大人しすぎていじめられる子、文字の読み書きができない、理解度が凄く低くて、授業についていけなくなる子ども。普通にいませんでしたか?
そういう子たちに目を伏せてきた結果、近年の不登校児の増加傾向、学生の自殺率の高さ、いじめの低年齢化などの教育的問題。大人の引きこもり、精神障害の増加、犯罪の凶悪化、自殺率の高さといった社会問題につながっていったのかもしれない。
だから「支援が必要な子供は早期に対応していこうよ。子供について、保護者や先生、その他の支援者たちが情報を共有して、子どもに合った環境を作っていこうぜ」と、国が舵を取ったように思えるのです。あくまでも個人的な意見です。が、あなたはどう思いますか?
教育相談は2日間ありました。1日目は、知能検査&親への聞き取り調査
さてさて、我が家の教育相談はどうだったのかという話。教育相談は2日間ありました。1日目は、臨床心理士さんがWPPSI-Ⅲという知能検査をしてくれました。
ところで、WPPSI-Ⅲという知能検査は、このときはじめて知りました。(メジャーなのはWISCや田中ビネーだよね)WISCのちっちゃい子向けバージョンみたいです。