小学校の特別支援学級に進学することを決めるまで⑤~特別支援学級を見学してみた話~
ブログの説明
このブログは、知的障害児/発達障害児の子育てを通して学んだ事、おうちで療育したいときにおすすめの100均グッツや手作りおもちゃを配信します。誰かの役に立てたらうれしいです。よろしくお願いします。
①合理的配慮がなされている
10月ごろ、特別支援学級の見学してきました。
情緒学級は、知的遅れがないけど社会性などに困り感がある子供たちが在籍しています。見た感じは、8人クラスの普通の教室。
授業は普通に先生が一人前に立って、教科書を読んだりノートに書いたりしてます。
教室を飛び出したり、授業中ウロウロしている子は一人もいませんでした。一見、どこに障害が?と思う子供たち。
コーディネーターの先生方は、初めは落ち着きがなかったり、授業に参加できなかったりしていたけど 、自立活動や様々な支援で徐々に学校生活に慣れてきました。と仰っていました。
普通の教室に見える支援学級ですが、掲示物に工夫が見られました。
- 余計な掲示物を黒板の前に貼っていない
- 一日の流れのカードが黒板の前方に貼っている
- 放課後はどこで過ごすのか、カードを使って分かるようにしている
- 音の大きさレベル(レベルに応じて動物が描いているような)表がある
- 囲いで仕切っている席がある
- 教室後方に、畳の場所がある。カーテンで仕切れるようになっていて、クールダウンスペースになる
もしかしたら見えないところに、その他沢山の合理的配慮があるのかもしれません。
個々に応じた支援をされていて、学校生活を送りやすくしてくれていると感じました。
②普通学級にはないアイテムがたくさん
例えば
1.残り時間が見えるタイマー。
時っ感タイマーは、家でも使っています!
気持ちの切り替えが苦手な娘には、結構いいアイテムです。
例えば、5分勉強してみよう!と口で言うだけだと「5分の感覚」がわからないから
しかめっ面をして嫌がる。だけど、5分が目に見えるだけで「なんだこれだけか!」って言ってくれる時もある。逆に5分は嫌だ!と言ったとしても「こんなにやるの。うーん、もっと少ないほうがいい」みたいに、5分の感覚が長いから嫌なんだと子供理解につながり、漠然としたイライラから解放される。発達障害児に「可視化」はもってこいの支援です。
2.絵カード
これも可視化の一種。交流級の授業はどんな授業で、何が必要なのか。図書館とはどんなところで、どんなことに気を付けないといけないのか。一日の流れ。等々・・・黒板や授業の流れで使用しているようです。
娘だけかもしれないけど、「自分の気持ちカード」というのを用意してもらっています。娘は苦しい時ほど笑顔になったり、困っていてもそれを相談することができません。「今の気持ちはどんな気持ち?」と言葉で伝えることが難しいのです。だから、絵カードにして、どの気持ちなのかを指さして伝えてもらう。
言葉で伝えられないのは、娘の場合、自分の感情がよくわかっていないことが原因のように感じます。絵カードという視覚的に感情を図示してくれるアイテムと、自分の感情を照らし合わせる行為は、感情理解にとっても有効的ではないかと思うのです。
③仕切り板
余計な情報が入ったり等で、周りが気になりすぎて集中できない場合に、机の周りに仕切り板を立てかけて集中しやすい環境を作ります。
③自立活動という授業がある
自立活動とはなんでしょう?
自立活動とは・・・・個々の障害のある児童生徒が自立をめざし、 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服しようとする取組
特別支援学級に在籍すると、大体はこの活動の時間が設けられています。具体的に何をするかは、もちろんいろいろあると思うんですけど、見学した時に見た自立活動は、1回目は虫取りのルールについて確認しあう活動。二つ目は仲良し体育でした。
虫取りのルールを確認しあったとき、一人の男の子が教室を飛び出してしまいました。どうやらルールに納得がいかない様子。先生は複数人いたので、一人の先生がその子を追って、でも無理やり引き戻すわけではなく見守っていました。
ぐるぐる回って乱暴な言葉を吐きながらも、徐々に落ち着いていく子供。そして最後は教室へと戻ってきました。先生方が気持ちを代弁したり、冷静に対応されていたのがすごく印象に残っています。
なかよし体育は、ただ体育して体を動かすというわけではなく、活動の中でルールを取り入れる場面が多かったように感じます。守られたら絶賛の嵐。守られなかったら、叱る。感情的にならず、叱った理由を淡々と簡潔に伝える。
先生たちの愛をすごく感じました。特別支援学級を見学するまでは、学校の檻だと思っていたところもありました。でも見学してから、180度考えが変わったのです。
【+α】
自立活動の時間がある分、そのほかの授業数は減っています。娘の場合は、交流級の授業に比べて2回分くらい遅れている感じです。でも私は、自立活動のほうが娘にとって大切な学びや気づきがあると思っています。仲良し音楽という自立活動の時間が毎週あるのですが、そこで娘は手話を使って歌を歌うことを学びました。手話の存在を知り、手話に興味を持つようなったです。その時に、みんなの前で歌うという経験をしたことで、交流学級の音楽のテスト(35人の前で歌を歌うテスト)もクリアしたのです。
進学される支援学級の自立活動がどんなものであるのか、先生たちの取り組み、教室の雰囲気なども含めて、ぜひぜひ学校の見学はしたほうがいいですよ~!
次回は最終回。特別支援学級に決めた話です。